米大統領選、7月の衝撃

バイデン大統領が7月21日に米大統領選挙から撤退したことにより、11月の選挙の競争環境は変化した。選挙戦の遅い段階での異例の撤退決定により、新しい候補者の選出は民主党全国大会の代議員に委ねられることとなった。ハリス副大統領は、民主党の推定候補者として十分な代議員の支持を固めており、現在、実質的な競争相手はいない。

民主党全国委員会の規則委員会は、州の候補者認定期限に間に合わせるために、8月19~22日にシカゴで開催される民主党全国大会に先立ってオンライン投票を実施することを決定した。民主党の候補者として立候補を希望する個人は、7月27日までに立候補を宣言し、翌日までに少なくとも300人の代議員の支持を得なければならない（ただし、1つの州からの支持は50人を超えてはならない）。オンライン投票は8月1日に開始され、単純多数を獲得した候補者が党の指名候補者として宣言され、州の投票用紙要件を遵守するために8月7日までに副大統領候補を選出する義務がある。

我々は、ハリス氏が過半数の票を獲得し、民主党の正式候補者として指名されると予想する。シカゴで再び儀式的な投票が行われ、代議員は党の政策綱領についても投票する予定である。それ以降は、両候補者は11月に向け、さらなる支持を獲得するために、熾烈な競争を繰り広げるだろう。

UBS米国公共政策オフィスと連携して、我々の選挙結果予測にバイデン氏撤退を反映させ、確率を修正した。トランプ前大統領は依然としてやや優勢だが、ハリス陣営がわずか2日間で1億2,500万米ドルを調達したことは、民主党内の熱意の高まりを反映しており、接戦の予兆となっている。